蜂蜜酒物語 19

 林檎酒を試飲しています。
 色は極甘のドイツワインに似た金色。
 しかし口に含むと甘みは全くなく、林檎らしい酸味が効いています。
 蜂蜜酒よりも雑味・苦みは少ない様子。
 アルコール度数は蜂蜜酒よりやや低めか? 10%未満かも。
 これはおそらく減量のジュースの糖度不足が原因。次に作る時は、補糖するか果汁を凍らせて濃縮するかするべき。
 しかし一番いいのは、蜂蜜に林檎ジュースを混ぜて蜂蜜酒を作ること。
 蜂蜜酒には決定的に不足している酸味が補える上、発酵も促進できる可能性があります。
 
 全体的な評価としては、蜂蜜酒よりも雑味がなく爽やかな酸味があって飲みやすいけれど、どちらかといえば蜂蜜酒の方がやみつきになる味です。
 林檎酒は、とにかくもっと甘い果汁を使わなきゃダメですね。今のままでは味が薄っぺらく感じてしまいます。
 林檎の皮を剥いてしばらく果汁に浸せば、タンニン分が増してシードル・ヴァル・ド・ランスのような深みのある味になるかもしれません。
 
 とりあえず次回は、今回よりも濃くした蜂蜜+林檎ジュースによる『林檎入り蜂蜜酒』です。
 今回の試飲で林檎酒の味がわかったので、さっそく明日あたり仕込んでみましょうか。


※以上の文章はすべてフィクションであり、実在の人物、団体、出来事、酒税法等とは一切関係ありません。
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蜂蜜酒物語 18 蜂蜜酒熟成13日目

 どうも、自作蜂蜜酒はちょっと悪酔いしやすいような気がします。
 やっぱり、手作り品は市販のお酒に比べて不純物が多いせいでしょうか?


 林檎酒は瓶詰めして熟成中。
 糖分はほぼゼロで、林檎の酸味のみが残ってます。
 まだ味は落ちついていない様子。
 
 林檎酒は少し糖分を残した上で、瓶内二次発酵させてシードルにした方が美味しそうですね。
 今回は発行を止めるタイミングを見誤ったので、次回挑戦してみましょうか。
 
 問題は、二次発酵で生じる澱をどうするかですが。
 
 シャンパーニュの製法は勉強しましたけど、手間がかかるのでやりたくないというのが本音。
 まあ、この時期に作るなら澱が残っていても問題ないでしょうけどね。

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蜂蜜酒物語 17 蜂蜜酒熟成12日目

 前回の試飲から一週間、また少し飲んでみました。
 ……つか、現在進行形で飲んでます。
 
 濁りはすっかり沈んで、透明な金色になっています。
 味も先週よりはまろやかで飲みやすくなったように感じます。
 そして、冷静に味わってみるとアルコール度数はかなり高いようです。
 テイスティンググラス1杯で酔いが回ってきた感があるので、もしかしたら平均的なワイン(12〜13%)よりも高いかもしれません。
 使用したワイン酵母がそこまでの高アルコール濃度に耐えられるのかどうかは知りませんが。

 これで蜂蜜の甘みが少し残っていたらすごく美味しい飲み物でしょうね。
 次回は、もっと蜂蜜の濃度を高くするか、発酵途中で蜂蜜を追加するかしてみましょうか。
 ……辛口のまま、今よりももっとアルコール度数が高くなったら困りますが(笑)。

 暖かくなると澱下げの際に冷蔵庫が必要になるので、地下室が冷蔵庫よりも低温な今のうちにもう一度挑戦してみましょう。
 
 ……今は給料日前で高い蜂蜜が買えないので、給料が出たら(笑)。

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蜂蜜酒物語 15 蜂蜜酒熟成5日目

 今月7日に澱引きしてペットボトルに詰め、地下室で寝かせていたのですが、少し試飲してみました。

 色は蜂蜜を薄めた色そのまま。
 熟成を経た甘口のドイツワインほど鮮やかな金色に見えないのは、微かな濁りがあるためでしょうか。
 
 飲んでみると、奇妙な違和感を覚えます。
 その原因は多分、香りは紛れもなく蜂蜜なのに甘くないためでしょう。
『蜂蜜の香り→極甘』という意識が刷り込まれてますからね。

 味も確かに蜂蜜。
 蜂蜜独特の風味はそのまま残っていますが、ただし甘みだけが無くてかなりの辛口。
「辛口の白ワインのような蜂蜜」という物を想像してもらえれば雰囲気は掴めるでしょうか。
 
 アルコールは確かにあるんでしょうけど、酔いの回り方から推測するに、その辛口っぷりから予想される度数よりはずいぶん低そうです。
 ビール以上ワイン未満というところでしょう。
 
 ミードは本来辛口らしいのでこれで正しいんでしょうけれど、ほのかに甘みが残っていた方が美味しそうです。
 次に作る時は、もっと水に対して蜂蜜を増やすか、糖分が残っているうちに発酵を止めるかしてみましょう。

 とりあえず、まだ荒さの残る味わいなので、地下室でしばらく寝かせておけば美味しくなるかもしれません。
 ワインなら「涼しい場所で寝かせておけばもっと飲みやすくなる味」ですが、それがミードにも通用するものかどうかは不明なので、小さい容器に分けて保存し、適度に間を空けて試飲してみようと思います。


 ……で。
 
 なんとなくお腹が痛いように感じるのは気のせいでしょうか?(苦笑)
 その答えは明日の朝にわかることでしょう。

 〈つづく〉

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蜂蜜酒物語 12 発酵17日目

 いよいよ酵母の活性も低下してきたようなので、朝、澱下げのために容器を寒い地下室へ移動しました。
 夜になって確認したところ、発酵はほぼ止まって液の透明度が増してきています。
 明日までこのまま澱下げをしたら、フィルターを通して熟成用の容器に移すとしましょう。
 
 糖分はほぼなくなり、味は辛口になってます。
 少し甘みが残っていたくらいの方が美味しかったとは思いますが。
 次回はもっと蜂蜜の比率を増やして作ってみましょうか。
 
 ……その前に、100%リンゴジュースを買ってきて林檎酒にも挑戦してみる予定です。

 〈つづく〉

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蜂蜜酒物語 9 発酵7日目

 テイスティンググラスに少量すくい取って、味見してみました。
 濃厚な甘みと微かな酸味は、ドイツのアイスワインを思わせる味わいです。
 アルコールの風味も感じるものの、度数はまだまだ低い様子。
 一週間でまだこの状態ということは、やはり発酵ペースは遅いようです。

 〈つづく〉

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蜂蜜酒物語 8 発酵6日目

 記録は毎日つけているのですが、特に変化がないのでここには書かずにいました。

 相変わらずまったりと発酵を続けてます。
 発酵ペースは以前より少し落ちた様子。
 発酵温度が高すぎると風味に悪影響を与えるそうなので、ペチカの上から容器を移動させたことが原因でしょうか。
「正月休み中に発酵が終われば御の字」くらいのつもりで、長期戦覚悟で行くとしましょう。

 〈つづく〉

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蜂蜜酒物語 4 発酵2日目

 発酵の様子は相変わらず。
 シャンパンよりもずっと細かく少ない泡が、昨日と同じようなペースで発生し続けてます。
 小麦粉、ドライイースト、砂糖のいずれかを混ぜることで発酵の勢いが増すらしいのですが、味に影響を与えるのでできれば避けたいところ。
 最初は副材料を極力抑えて、蜂蜜酒本来の味を確かめてみたいのです。
 とにかく、今のペースでも発酵が続いているうちは静観しておきましょうか。

 ……漢字変換時、「静観」よりも先に「性感」が出てきたことで、ちょっと自分の生き方を反省(苦笑)。


 〈つづく〉

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蜂蜜酒物語 3 発酵1日目

 家に帰ってチェックしてみましたが、思いのほか発酵ペースは遅いようです。
 栄養or当分不足なのか、温度が低いのか。
 攪拌してみたら発泡ペースが格段に上がりましたが、それも一時的な話。
 
 それでも一応、発酵は続いているようなので、しばらく様子を見てみましょう。

 〈つづく〉

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蜂蜜酒物語 2 仕込み編

 夕食後、さっそく仕込みを始めます。
 
 用意したものは以下の通り。
 ・容量2リットル程度の、梅酒用ガラス容器(蓋つき)
 ・蜂蜜450g程度
 ・レーズン1袋
 ・ワイン酵母5g入り1袋
 ・六甲のおいしい水2リットル
 ・ガラス容器が収まるサイズの鍋
 ・温度計
 ・料理用重量計
 
 大きな鍋で沸騰しない程度に湯を沸かし、ガラス製の発酵容器を入れて六甲のおいしい水900mlを注ぎ、湯煎で70℃程度まで温めます。
 その間にレーズン30粒程度を刻み、蜂蜜と一緒に容器に入れ、蜂蜜が溶けるまでかき混ぜます。
 殺菌の意味でそのまま70℃を15分間ほど維持。
 ここまでは30分ちょっとしかかかりません。
 
 火を止めて、蜂蜜溶液が冷めるまでの間にトレーニングと入浴を済ませましたが、それでもまだ少し熱かったので、冷水に浸けて35℃程度まで冷やしました。
 あとは、酵母1gを振りかけるだけ。
 顆粒状の酵母は一度水面に広がった後、ゆっくりと沈んでいきます。
 その後しばらくは特に変化も見られなかったので、埃が入らないように蓋をかぶせて(炭酸ガスが発生するので密閉はしない)、夜でも温度が下がらないようにペチカの上に置いて寝ることにしました。


 明け方に一度目が覚めたのでチェックしてみたところ、シャンパンよりも細かな泡がそこそこ盛んに浮き上がってきていました。
 もっと激しく、開栓したてのビールかコーラ並みに泡が出るかと想像していたのですが、そうではなさそうです。
 仕込みが不完全で発酵ペースが遅いのか、まだピークを迎えていないのか、それとも本来こんなものなのか、初めてなのでよくわかりません。
 とりあえずちゃんと発酵はしているようなので、そのまま寝直しました。
 
 仕事から帰ったあとでどんな状況になっているかが楽しみです。
 ただし今夜はチームの忘年会なので、帰宅するのは夜中ですが。

 〈つづく〉

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