蜂蜜酒物語 15 蜂蜜酒熟成5日目

 今月7日に澱引きしてペットボトルに詰め、地下室で寝かせていたのですが、少し試飲してみました。

 色は蜂蜜を薄めた色そのまま。
 熟成を経た甘口のドイツワインほど鮮やかな金色に見えないのは、微かな濁りがあるためでしょうか。
 
 飲んでみると、奇妙な違和感を覚えます。
 その原因は多分、香りは紛れもなく蜂蜜なのに甘くないためでしょう。
『蜂蜜の香り→極甘』という意識が刷り込まれてますからね。

 味も確かに蜂蜜。
 蜂蜜独特の風味はそのまま残っていますが、ただし甘みだけが無くてかなりの辛口。
「辛口の白ワインのような蜂蜜」という物を想像してもらえれば雰囲気は掴めるでしょうか。
 
 アルコールは確かにあるんでしょうけど、酔いの回り方から推測するに、その辛口っぷりから予想される度数よりはずいぶん低そうです。
 ビール以上ワイン未満というところでしょう。
 
 ミードは本来辛口らしいのでこれで正しいんでしょうけれど、ほのかに甘みが残っていた方が美味しそうです。
 次に作る時は、もっと水に対して蜂蜜を増やすか、糖分が残っているうちに発酵を止めるかしてみましょう。

 とりあえず、まだ荒さの残る味わいなので、地下室でしばらく寝かせておけば美味しくなるかもしれません。
 ワインなら「涼しい場所で寝かせておけばもっと飲みやすくなる味」ですが、それがミードにも通用するものかどうかは不明なので、小さい容器に分けて保存し、適度に間を空けて試飲してみようと思います。


 ……で。
 
 なんとなくお腹が痛いように感じるのは気のせいでしょうか?(苦笑)
 その答えは明日の朝にわかることでしょう。

 〈つづく〉

※以上の文章はすべてフィクションであり、実在の人物、団体、出来事、酒税法等とは一切関係ありません。
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