もういくつ寝るとお正月、という時期なので、↓を紹介。
『
チーム』(堂場瞬一/実業之日本社文庫)
私的には正月の最大イベントである箱根駅伝の、学連選抜チームを題材にした小説。
ノンフィクションかと思うほどのリアルさで描かれた、スポーツ小説ファン必読の一冊です。
クライマーの私としては、3区でも9区でも10区でもなく、もっともトラブルが少なかった5区でなぜか涙が出ました。
……そういえば、女性が一人も出てこない作品をここで紹介するのは初めてでしょうか(苦笑)。
でも、そのくらいいいんですよ。
持久系スポーツつながりで、今年の夏、頻繁に出張していた時に暇つぶしに買った一冊がこれ↓。
『
エデン』(近藤史恵/新潮社)
ツール・ド・フランスで走る日本人ロードレーサーを主人公とした小説。
監督と対立しながらも総合優勝を目指すフィンランド人エースをアシストする主人公と、ライバルチームの若きエースを中心とした物語です。
話題作となった『
サクリファイス』の続編だそうですが、私は前作は未読。
こちらはサスペンスではなく純粋にレースを描いているので読んでみました。
読みやすいし、まあ面白いのですが、なにかがちょっと物足りない印象。
綺麗すぎて『本物』の泥臭さが伝わってきません。
自分では走らない『見るだけファン』が書いた文章とでもいいんでしょうか。実際にその通りなのか、それとも女性の文体故の印象なのかは不明。