蜂蜜酒物語 序

 ※以下の文章はすべてフィクションであり、実在の人物、団体、出来事、酒税法等とは一切関係ありません。
 
 最近でこそ自転車のために飲む機会は減っているものの、私は本来けっこうな酒好きですが、それでもまだ飲んだことのない酒というのはいくらでも存在します。
 もちろん、銘柄ではなく「ワイン」「ビール」「ウィスキー」等といったカテゴリーの点でも。
 
 そのうちのひとつに『ミード』があります。
 蜂蜜を発酵させた酒で、ワインやビールと並んで最古の酒のひとつです。
 その昔、栄養豊富な蜂蜜は強壮効果があるとされていたので、新婦は結婚から一ヶ月間、蜂蜜酒を作り新郎に飲ませて子作りに励むという習わしがあり、それがハネムーン(ハニームーン、蜜月)の語源になったそうな。
 
 そんなわけで欧米ではよく知られているミードですが、日本ではかなりマイナーな存在で、そこら辺のスーパーの酒売り場などではまず見かけません。
 もちろん今なら通販で手に入りますし、それほど高いものでもないのですが、そうまでしてどうしても飲んでみたいというわけでないのもまた事実。
 
 そんなある日のこと。
 仕事の合間の息抜きにウィキペディア巡りをしていたところ、蜂蜜酒の製法が目にとまりました。
 
『製法の一例として、水で三倍程度に薄めた蜂蜜に酵母(ドライイースト)を加えて、夏場は2-3日、冬場は1週間ほど発酵させる。』

 ……それだけ?
 そんな簡単に作れちゃうの?
 
 じゃあ、作ってみましょうか。
 
 私は本来、料理とかお菓子とか、豆腐やベーコンや薫製といった加工食品作りとかもけっこう好きです。
 最近はトレーニング最優先の生活で時間がないのでやっていませんでしたが、今の時期は多少さぼってもさほど問題はありませんし、これなら手間はほとんどかかりません。
 仕込みも簡単だし、ほとんどの工程は酵母まかせ。火の管理が必要な薫製よりもよほど簡単です。
 さっそく、ミード作りに挑戦することにしました。
 
 〈つづく〉
 
 
 
 ……なお、
 
 日本では酒税法により、1%以上のアルコール飲料を醸造することは自家消費のためであっても禁じられています。
 なので、蜂蜜酒物語はすべてフィクション。アインシュタインが言うところの『思考実験』です(笑)。
 その点をよくご理解ください。
 
 自分でもやってみようという方は、発酵前の糖度を調整するか(糖度とアルコール度数に関する計算式は、文献を調べれば見つかります)、発酵を途中で止めて、アルコール度数が1%未満になるようにしてください。
 ……表向きは(笑)。
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続・おふろで読書

 ふと思ったけれど、入浴中に原稿執筆というのもいいかもしれません。
 手の届くところにマンガやDVDがありませんし、たぶん浴室までは家の無線LANも通じないのでネットも使えず、執筆を妨げる誘惑がありません。
 
 ……とはいえ、
 無防備な私のメビウスを浴室に持ち込むのはどんなに気をつけていても危険ですし、このためだけに高価な完全防水ノートPCを買うというのも無理がありますが(苦笑)。
徒然…… | comments (0) | -