『
へんないきもの』
『
またまたへんないきもの』
この世に存在する、外見、生態、名前等がヘンな生物たちを羅列した本です。
特に、変わった生態を持つ生物には目がない私としては、それぞれの生物にもっとページを割いて詳しく説明して欲しいところですが、そうするとあまり一般受けはしないのでしょう。
この本で興味を惹かれた生物がいたら、専門書を買って詳しく調べるのがいいのかもしれません。
文章は少々おちゃらていて、ふざけた本のような印象を受けますが、実際のところ、筆者は最新の文献までちゃんと調べた上で執筆しているようです。
話は変わって。
数年前に出版されたある植物学の本をAmazonで探していた時に、ふと思い立って調べてみたところ、『
平行植物』がずいぶん前に文庫化されていたことを発見しました。
『光』や『みそさざい』といった私の作品の中にも何度か登場しているのですが、レオ・レオーニの手による一風変わった植物学の本です。
レオ・レオーニといえば『スイミー』等の絵本作家として知られていますが、これは大人向けに書かれた学術書。
ただしその内容はすべてが創作。平行植物という奇妙な植物群について、そのあらゆる種とその生態、進化、研究の歴史まで、すべてを創作してしまったという実に不思議な本。
それを完璧に真面目な学術書の体裁にまとめているので、知らずに読むと騙されること請け合いです。
日本語版は初版が1980年発行。学生時代に私が入手した当時ですら、古本屋でもそうそう見つけることのできない本でしたが、このちくま文庫版は今でも普通に入手可能なようですので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか?
ただし、あくまでも体裁は学術書ですので、科学に興味のない人には少々取っつきにくいかもしれません。
じっくり読んでいくと、かなり幻想的な内容で惹き込まれるのですが。
私、こうした「ありえないものをいかにも実在するかのようにリアルに創造した作品」って好きなんですよね。
ラヴクラフトが好きなのもそのためかもしれません。
そういえば今は、映画『
スキージャンプ・ペア』にひどく興味を惹かれます(笑)。