最近読んだ百合っぽいラノベ

暴風ガールズファイト』(佐々原史緒/ファミ通文庫/既刊2冊)

 ちょっと古い世代にわかりやすく言うと『現代版・女子校サバイバル』……って、今の世代には余計わからんか(苦笑)。
 日本一を目指して奮闘する新設女子ラクロス部のお話しです。
「百合とか薔薇とか姉妹とかは幻想」と言い切ってるあたり、百合的に過大な期待をすると裏切られますが、主要女子キャラ十数名に対して、フラグが立つ可能性が少しでもある男子キャラが2名ですから、女の子同士の友情とか友情とか友情とかが好きな読者は安心して読むことができますし、かなり面白いと思います。

 佐々原史緒はもっと人気が出てもいい作家だと思うのですが、何故かいまいちメジャーになれません。
 私が思うに、ヒロインが本質的に『強い』ので、「ツンデレとかいいつつも本質的には男に媚びてるようなギャルゲ的ヒロイン」が好きな現代のオタ男子にはウケがよくないのかもしれません。
 私は好きですけどね。
 佐々原作品は男性主人公であっても「戦うヒロインと、それを支える(ちょっと〜かなり抜けた)主人公」という構図が基本と感じられるので、私の嗜好に合うのでしょう。
 
 しかし、この作品についてはひとつだけ声を大にして言いたい。
「『マリア様がみている』はAVのタイトルだっ!」と。
 本文中で『ふたりはプリキュア』とか『コバルト文庫』とかはちゃんと書かれているので、純粋に誤記かもしれませんが。



 続いてもう一作。
Pipit!!〜ぴぴっと!!』(和智正喜/MF文庫J/既刊2冊)

 ひと目ぼれした美少女転校生に、カラダを好き勝手されてしまうヒロイン。
 ……と紹介するとすごくいかがわしく感じるのはどうしてなんでしょう? けっして、嘘は書いていないのですが(笑)。

 こちらはガチ百合です。
 主要女子キャラ3名がすべてガチです。
 なのに「女の子ど〜し」という点に(周囲の男子キャラも含めて)誰も疑問を感じてないところは評価の分かれる点でしょう。
 私的にはその点は一向に構わないのですが、百合以外の点で総合的に判断すると、この作品に対する評価は
「残念ながら、ギリギリで落第点」
 というところ。
 主役二人の周囲をうろちょろする男子キャラが、本来ならばいいギャグメイカーになるはずの位置付けなのに、作者の力量不足のためにただただウザくてキモイだけの目障りな存在になってしまってます。
 喩えていうなら、こじゃれたイタリアンかフレンチの皿に、付け合わせとしてイカの塩辛が載っているような気持ち悪さ。
 メインの素材とその調理法はまあまあ悪くないだけに残念です。
百合 | comments (0) | -