続・おかねのはなし

 個人投資家の間では、新規公開株(IPO)が人気です。
 いまだに、これだけで一財産築けるといった幻想を抱いている人も多いようで。
 
 しかし一般庶民が運用できる資金レベルでは、これはある意味投資というよりも投機ではないでしょうか。
 公開時に大幅な値上がりが見込める銘柄は当然ながら人気沸騰で、抽選に当たる確率は宝くじと大差ないのではないかと思ってしまいます。
 当選すれば確かに「高確率で高いリターンが得られる」わけですが、当選確率も含めて考えると、実はそれほどローリスク・ハイリターンでもなさそうです。
「当選しなければ損もしない」と考える人もいるかもしれませんが、申込みにもいわば『見せ金』が必要なので、くじ運が悪ければ、本来ならばもっと率のいい運用ができたはずの資金をただ塩漬けにしただけということになりかねません。
「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」で片っ端から申し込むと、値上がりの見込めない不人気銘柄ばかりが当たったりもしますし。
 運用可能な資金をすべて新規公開株につぎ込むのは、結局のところ博打でしかないですね。

 とはいえ、うまくいった時の儲けの大きさは確かに魅力です。投資額が一日で倍になったりするわけですから。
 だからこそ、投資初心者が運よくこれで儲けると、すっかりはまってしまうのでしょう。
 そうした面も、パチンコや競馬といった博打と同じだと思いません?
 
 私はとりあえず、証券会社の口座にある資金のうち20%前後を『短期売買用資金』と位置づけて、この範囲内でのみ新規公開株に申し込むようにしています。
 もちろん、高確率で値上がりの見込める銘柄だけで、以前のように「買える価格のものはすべて申し込む」ようなことはしません。
 ……まあ、一時期は本当に新規公開株はほぼすべて値上がりしてたんですけどね(苦笑)。

 やってる人が博打と割り切ってるならそれでいいんですけど、実際のところ、『投資』と『博打』の区別がついていない人も多そうですよね。
 私はあくまでも貯蓄の一環としてやっているので、基本は投資信託や債券による長期安定運用、一部の余剰資金だけでハイリスク・ハイリターンの短期運用をするようにしています。
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