私立のお嬢様学校ということで、聖陵女学園の施設は充実している。
 例えば、体育館と格技場に隣接して設けられたシャワー室。
 その個室のひとつで、聖美は凉子の小さな身体を抱きしめていた。
 もちろん、二人とも全裸だ。
 濡れた身体から、体温が直に伝わってくる。
 聖美の腕の中で凉子は黙って俯き、小さな身体を強張らせている。
 怒っているような、戸惑っているような表情を浮かべて。
 しかし、抗いはしない。
 片手を頬に当て、そっと上を向かせる。
 一瞬、視線が正面からぶつかる。
 表情が硬い。次に起こることが予想できているのだろう。
 微かな畏れと、戸惑いが入り混じった瞳。
 掌に伝わってくる圧力。頬を押さえていなければ、顔を背けられてしまうかもしれない。
 その前に唇を重ねる。
 ぴくっ
 小さく震える肩。
 柔らかな小さな唇を舌先でくすぐる。そっと中に挿し入れる。
 温かな口中で一瞬、二人の舌先が触れた。慌てて舌を引っ込める凉子とは対照的に、聖美は舌をいっぱいに伸ばして凉子の舌をくすぐった。
「ん……んふ……ぅ」
 逃げようとする凉子の舌を執拗に追いかける。やがて凉子も諦めたのか、激しいキスをおとなしく受け入れはじめた。
 唇を重ねたまま、凉子の胸に触れる。柔らかな膨らみを掌で包み込む。
 小柄な凉子らしい、控えめな膨らみ。
 固すぎず、柔らかすぎず。
 掌に吸いつくような滑らかさ。
 掌全体で包み込んでそうっと揉み、伝わってくる温かな弾力を楽しむ。
 そして、先端の突起を指先で弄ぶ。
 小さな突起を爪先で弾くたびに、凉子の身体が微かに震える。
 何度も、何度も、繰り返す。
 凉子が、肩の当たりに軽くおでこをぶつけてくる。ふざけて頭突きでもするかのように。
 そのまま、聖美の顔を見ずにつぶやいた。
「……あんまり、胸触ンなよ」
「どうしてですか?」
「…………こんな小さい胸、触っても楽しくないだろ?」
 それを聞いて、思わず噴き出しそうになった。拗ねたような態度の意味を悟る。
 どうやら、凉子は自分の胸が小振りなことを気にしているらしい。確かに大きいとはいえない。しかし小柄で華奢な体格を考えれば、このサイズはまあ普通だろう。
 聖美と比べれば見劣りするのは事実だが、聖美は顔だちはボーイッシュでも胸は平均よりもかなり豊かな方だ。
「楽しいですよ、とっても」
 聖美は凉子の胸がすごく気に入っていた。小振りではあってもその膨らみは綺麗な形で、感触は一度触れたらもう離したくなくなるほどだ。
 楽しくて。
 心地よくて。
 凉子に触れることが嬉しくて。
 胸への愛撫を続けてしまう。
 やさしく。
 だけど執拗に。
「やっ……んっ、んふっ……やだってば……」
 凉子は素直じゃない。
 気持ちいいくせに。
 感じているくせに。
 ほら、触るほどに乳首が固くなってくるのに。
「そんなトコ、触るなよ……」
 口を尖らせて言う。
 そんな態度が可愛くて、愛おしくて。
 つい、意地悪したくなってしまう。
「胸が嫌なら、どこを触って欲しいんですか?」
 そう言いながら、手を滑らせていく。
 胸からお腹へ。
 お腹から下腹部へ。
 さらに下の淡い茂みの中へ。
「っ! ――やっ……だっ、め……」
 腰を引いて聖美の手から逃れようとする凉子の身体に腕を回して、しっかりと掴まえる。
 茂みの奥で指を滑らせる。そこはシャワーのお湯ではなく、もっと熱い、ぬめりを帯びた液体で濡れていた。
 火照った粘膜の中に指先をもぐり込ませ、小刻みに動かす。動きを速くしていくにつれて、その部分の温度が上がって潤いが増してくる。
「はっ……ぁっ……ぁぁ……んっ……ん!」
 凉子の手が聖美の上腕を掴む。爪を立てて、痛いくらいに力が込められている。だけどおそらく、本人はその事に気づいていない。顔をくしゃくしゃにして、聖美の指の刺激を堪えている。
 聖美はゆっくりと、指を中へ挿れていった。溢れてくる蜜を塗り広げるように、小刻みに前後に動かしながら。
「やぁっ! ……んんっ! く……ぅんっ」
 凉子の身体が強張る。全身に力が入り、ただでさえ狭い膣口がさらにすぼまり、中にある中指がきゅうっと締めつけられる。
「凉子先輩……ひょっとして、初めてですか?」
「……」
 凉子は無言で視線を逸らした。頬を紅く染めて、気まずそうな表情で。
 くすっと笑って聖美は指を動かす。
 返答を促すように、急かすように、初心者にはちょっと刺激が強いくらいに。
「ひゃっ……あっ! ……は、じめてに決まってるだろ! 柔道一筋十八年、カレシ作るヒマなんて……ましてや彼女なんてっ!」
「でも、感じやすいんですね」
「……っ」
 聖美の指から逃れようとしていた凉子が、一瞬、動きを止める。
 ただでさえ紅潮していた顔が、さらに赤みを増す。
 耳まで真っ赤にしながら、怒ったように言う。
「…………あ、アンタの指がエロすぎるんだろっ! この、女ったらし!」
「凉子先輩って、可愛い」
 腰に回した腕に力を込めて抱き寄せる。
 唇を重ね、口を開いて舌を深く挿し入れる。
 凉子は身体を引き離そうとするが、それは許さない。しっかりと掴まえ、もう一方の手でいちばん敏感な部分を執拗に刺激し続ける。
 根元まで挿入した指で中をかき混ぜる。同時に、親指の腹で、入口近くにある小さな突起を転がすように愛撫する。
「……んっ……ぅ、ん…………っ……ぃっ……っ! んふぁ……」
 凉子の脚ががくがくと震えている。身体から力が抜けていく。
「やっ……はぁっ、あぁっ、あっ、あっ……あぁっ!」
 指の動きに合わせて唇から漏れる声が、だんだん甲高く、甘ったるく変化してくる。
 聖美の手から逃れようとしていた腰が、本人の意志を無視して逆の動きをしはじめたところで、聖美は凉子の足許に跪いた。
 太腿を抱えるようにして、両脚の間に身体を滑り込ませる。凉子が逃げられないよう動きを封じるために、片脚を持ち上げる。
 そして……
 両脚の間で密やかに咲いている、小さなピンク色の花に口づけた。
 凉子の身体が、これまで以上に大きく震えた。
「やっ……だめっ、そんなトコ……だめだってっ! ねえっ! ちょ……マジ怒る……よ、あぁっ!」
 切羽詰まったきつい口調。
 だけど、本気で怒ってはいない。本気で嫌がってはいない。
 聖美にはわかる。
 だって、ほら。
 花心から、どんどん蜜が湧き出してくる。
 声がどんどん高く、か細く、そして切なげになってくる。
 敏感な、小さな突起を口に含む。舌先でくすぐりながら、強く吸う。
 そして、指を奥深くに進めていく。
「ふひゃぁ……あぁっ! あぁっ、あぁんっ! ひゃ……っ、あんっ、あぁんっ、あぁぁっ!」
 凉子の身体が大きく揺れる。無我夢中で、聖美の髪を掴んでバランスを取っている。喘ぎ声はもう悲鳴に近い。
 上体を仰け反らせて、口をいっぱいに開いて全身を痙攣させる。
「あぁぁっ! やぁぁっ、やっ……っ、はぁぁっ、だっ……め……っ! あっ、あぁっ、あぁー! ひぃぁっ、あぁぁっ、あぁっ! あぁぁ――っ!!」
 肺の中の空気をすべて吐き出すのと同時に、凉子は力尽きたようにその場に頽れた。



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