■ | 主催 | : | DoRide |
■ | 開催場所 | : | 藤野Fu's |
■ | 車種 | : | MTB |
■ | 概要 | : | 4時間耐久 |
■ | クラス | : | ソロの部 |
4時間耐久のソロの部でノンストップを目指すとなると、まず準備が忙しい。
ドリンクはハイドラパックの1.5Lに加えて、ラージボトル1本とノーマルボトル1本。中身はすべてグリコーゲンリキッドとメダリストのブレンドだが、それぞれ比率を微妙に変えて作る。
補給食はパワージェルとミニ羊羹。トライバッグに入るだけ詰め込む。
レーパンのパッドにベビーパウダーをたっぷりとまぶす。
タイヤの空気圧はグリップよりも抵抗重視で普段のクロカンよりもやや高め。
リアサスも硬めに調整していたところ、下側のナットが外れてボルトが抜けかかっていることに気がついた。
幸い、IRCの仏式バルブナットと径&ピッチが同じだったので、これを嵌めて応急処置。
招集直前にヴァーム缶を飲み、トイレに行って準備完了。
8時30分、秒読みなしでいきなりスタート。
1周目はシングルトラックなしということなので、最初の登りで遠慮なしにペースを上げる。
最初は先頭集団の後ろについていたのだが、2〜3周目になると徐々に差が開き始めた。
やっぱり下りでつけられる差が大きい。登りで無理やり取り戻そうとすれば、とても4時間は脚が保たない。
先頭集団についていくのは諦めて、自分のペースで走るしかなさそうだ。
30分を経過した頃から、急に苦しくなってきた。
ちょうど天狗山大会の2周目と同じような感じで、ペースが上がらないどころか、今すぐピットに戻ってひっくり返りたい気分になる。
そういえば、士幌大会でも1周目の終わり頃はそんな調子だった。
純粋に最初の疲労から来る精神的なものなのか、それとも本当に身体のパフォーマンスが低下しているのかはわからない。
本当に辛い。
今すぐやめてしまいたい。
しかしいくらなんでも、30分で音を上げるわけにはいかない。
「天狗山と同様、しばらく我慢すれば楽になる」と言い聞かせて走り続ける。
予想通り、1時間を過ぎると少し楽になってきた。
この頃にはもう先頭集団ははるか彼方。自分のペースで淡々と走り続ける。
1周ごとにドリンクを少し口に含んできたが、ここでパワージェルで最初の補給を摂る。
2時間で先頭集団にラップされた。
レース前に予想していたよりは早いが、今日のペースでは仕方ないだろう。
ペースメーカーにして食い付いていこうにも難しい速度差だ。
そして2時間半で再び先頭に追いつかれる。
これはいくらなんでも早すぎる。こちらのペースがかなり落ちているのだろうか。
しかしペースアップなんてとてもできる状態ではない。
自分のペースで走り続けてはいるが、かなりきつくなってきている。
最初の登りもシングルトラックも、スタート直後より軽いギアでなければ登れない状態だ。
きつい。苦しい。ペースが上がらない。
脚が重い。腰が痛い。お尻が痛い。
もうやめてしまおうか……何度もそんな思いが頭をよぎる。
その気になればいつでもピットで休める分、耐久はクロカンよりもタチが悪い。
やめたい。
バイクを停めてひっくり返れば気持ちいいだろう。
しかし、それはできない。
こんなことではダメだ。
そもそも今回の4耐は、サロベツに向けての長時間トレーニングの意味合いが強い。
とにかく、サロベツのS2クラスと同じ3時間をまず走りきろう。
それができなければサロベツで優勝争いなどできるわけがない。
まずは3時間、その後のことはそれから考えればいい。
もう少しで3時間という頃、スタート前に応急修理したリアサスのボルトがまた抜けかかっていることに気がついた。
やはり、4時間は保たなかったらしい。
停まって修理するべきだろうか。
しかしいま停まったら、再び走り出すのは難しそうだ。
このまま行けるところまで行ってみよう。
何度締めてもすぐ緩むボルトだが、これまでの経験ではこれ以上抜けることもない。ゲレンデの下りで無理をしなければあと1時間くらいは大丈夫だろう。
3時間が過ぎる。
ここまでは去年の4耐よりも時間の経過が早く感じる。
しかしここからの1時間は長い。
得意の登りでもギアをかけることができない。パワージェルでも力が戻らない。よろよろと登っていく。
もうやめてしまいたい。
もうやめて、冷えたコーラで喉を潤したい。
コーラ、コーラ、キンキンに冷えたコーラ。
それしか考えられなくなる。
決して水分が不足しているわけではない。2本のボトルは空になったが、ハイドラパックの中身はまだ十分残っている。4時間走っても余裕だろう。
しかし、ぬるいグリコーゲンリキッドとメダリストではこの渇きは癒せない。
いま必要なのは、糖分たっぷりの、氷温に冷えた炭酸飲料だ。
もうやめてしまおうか。
何度もそう思う。
ピットに戻れば、クーラーの中に冷えたコーラがある。
きっと最高に美味いだろう。
もう、やめてしまおうか。
いや、だめだ。
ここまで来たら最後まで走りきるべきだ。
3時間30分走って飲むコーラよりも、4時間走って飲むコーラの方がずっと美味いに決まっている。
コーラ、コーラ、冷えたコーラが欲しい。ビールでもいい。
メダリストとグリコーゲンリキッド以外で、キンキンに冷えていればなんでもいい。
呪文のようにつぶやきながら、脚を回し続ける。
あと20分。
あと10分。
そしていよいよ残り時間は一桁になる。
残り時間と今のペースから、あと2周でコーラにありつけるだろうと予想した。
しかし予想以上にペースは落ちていたようで、ゲレンデを下ったところで秒読みが始まってしまう。
慌ててダンシングしても時すでに遅し。10秒ほどの差で次の周回には入れなかった。
それでも自然と笑みがこぼれてしまう。
どうせ上位には入れなかったんだから、周回数なんてどうでもいい。
それよりも、これで冷たいコーラにありつけることの方が重要だった。
ということで、今回の4耐はかなりグダグダな走りでソロの部7位、43周回(約60km)という結果でした。
もうひとつ順位を上げれば入賞圏内とはいえ、6位とは2周回の差。天狗山でも3位との差は大きかったし、このあたりが今の実力ということでしょう。
去年の4耐に比べて時間は短く感じましたが、精神的にはかなりきつかったです。
石狩の平坦な高速コースの方が、ローディには走りやすいのでしょうか。
とにかく序盤に一度心が折れてしまうクセはなんとかしなきゃいけません。
とはいえ、この後はサロベツに向けて追い込んで行かなきゃならないし、次の長沼までクロカン練習をする時間はとれないんですよね。
……それ以前に、サロベツの翌週にまともに走れる脚があるとも思えませんが(苦笑)。