■ | 主催 | : | DoRide |
■ | 開催場所 | : | 士幌町 ヌプカの里 |
■ | 車種 | : | MTB |
■ | 概要 | : | クロスカントリー、デュアルスラローム |
■ | クラス | : | エキスパート(7周回) |
今季初のクロカンは私にとって初参加の士幌、そして初のエキスパートクラス参戦である。
事前情報では、士幌のコースはテクを要する下り+ダラダラとした登りということで、下りで決定的な差をつけられてしまうか、それとも後半でリードを広げられるかが気になるところ。
試走をしてみると、確かに前半の下りセクションはスピードが出る上に距離も長く、テクニックでかなり差が開きそうな感触だ。
そして後半はところどころに急な短い登りがあるものの、ほとんどが平坦かかすかな登り。ここは純粋に走力の差が出そうだが、はっきりとした長い登りがないのでアタッキングポイントに迷うコース。
ここをレースペースで7周となると、後半モチベーションを維持するのが難しそうだ。
休憩を挟みつつレースと同じ7周の試走を終えた後は、せっかく久々に十勝まで来たのだからと近くを流れる音更川でニジマス釣り。
かなり濁りの入った悪コンディションで魚影は薄かったものの、30cm前後のホウライマス(ニジマスの変異種)を2尾ゲットしてとりあえずは納得。
その後はしほろ温泉プラザ緑風でゆっくりと汗を流して明日のレースに備えた。
翌4日も絶好のレース日和。
エリート/エキスパートクラスがスタートする頃には気温も上がりそうで、給水タイミングも重要になりそうだ。
今回、レース時間は1時間ちょっとという読みで、ボトルはノーマルサイズ1本。
燃費の悪い私にとって1時間のクロカンというのは微妙な時間だ。
これが1時間のロードレースならメダリストを選択するところだが、今回はカロリー補給重視でグリコーゲンリキッド2袋。そして終盤タレた時のブースト用として、ポケットにパワージェルを1個。
スタート1時間前にはアップしながらヴァームゼリーとカフェイン錠剤を摂取。招集直前にはメダリスト1包を飲んで身体の準備は完了。
あとは走るだけ。
前のレースが少し長引いて、スタートは10分遅れ。
スタート位置はエキスパートの2列目で、なんとかこの位置をキープして下り区間をクリアしたいと思っていたものの、なんだかよくわからないうちに順位を下げてしまい、下り区間ではほとんど最後尾。
先頭グループは視界にも入らないはるか彼方になってしまっている。
しかし、平坦区間に入ってからが私の戦場。
ここでペースを上げていく。
とにかく脚のあるうちに一気に順位を上げるのが今回の作戦だった。
昨年の石狩4耐で、平坦コースはレース後半でも意外と惰性で走り続けられるものだとわかったので、後半追い上げるよりも、前半でリードを稼いで逃げ切る方が有利だろうという判断だ。
目論見通り、2周目にはエキスパートクラスの先頭に立つことができた。
ここからはペースを維持しして走り続けるという、自分との長い戦いの始まりだ。
幸いなことに、レース中盤はK子さん等数名のエリートクラスとの競り合いになる。
別クラスで順位には関係ないとはいえ、同じくらいのペースで追いつ追われつの走りをしていると、独走とは気合いの入り方が違う。
ここでは後半の平坦・登り区間で数十〜百mほどのアドバンテージを得ながら、下り区間では追いつかれてしまうという展開の繰り返し。
下りが下手なのは自覚しているものの、ここまではっきりと差を見せつけられるとさすがに凹んでしまう。
これでは、平坦の走力でも勝てないエリート上位陣の背中が見えてこないのも当然のこと。
レース終盤、また一人になった後はペースとモチベーションを維持するのが本当に難しくなってきた。
実はスタート直前にセンサーをぶつけたのが原因で、サイコンが動作していなかったのである。
ダラダラと続く平坦区間を疲れた脚で一人で走っていると、自分でも気づかないうちにペースが落ちている可能性が高い。2位以下との差は安全圏と思っていたのに、いつの間にか追いつかれていたなんてことになりかねない。
心肺はまだまだ大丈夫。脚だってまだ残っているはず。あとはやる気だけ。
走りながら自分を叱りつける。
『オラオラ、脚を止めるな! そんなヘタレた走りで大滝の表彰台に立てると思ってるのか! 回せ! 回せ! 回せ! 回せ! 回せ!』
砂利の浮いた路面では力いっぱい踏んでも後輪が滑ってロスが大きいので、軽めのギアを綺麗に回すことを意識し続けた。
この方が、路面の微妙な変化に対応しやすいというメリットもある。
登り区間でかすかに平坦になった箇所、あるいは砂利が少しだけ締まった箇所がある度に、一瞬だけペースアップ。
それで稼げるタイムはせいぜい1〜2秒とはいえ、コース1周分では塵も積もって無視できないタイム差だ。
ラスト7周目に入って、ようやく精神的には楽になってきた。
ここで事故っては元も子もないと、下り区間は安全にクリア。
平坦区間も、これで終わりと思うとこころなしか脚が軽く、フィニッシュ地点が見えてくる少し前にはプロのレースのようにジャージのファスナーを閉め直す余裕すら生まれていた。
(※これはホントはフィニッシュ地点でやりたかったのだが、両手放しで万が一にもコケたら恥ずかしいということで、観客の目がないところで実行)
トップ独走でのゴールとなると、フィニッシュ地点に向かう最後の登りもヘタレた姿は見せられない。
「こんな坂、軽いもんさ♪」という風を(必死に)装って、綺麗に脚を回して登っていく。
(※しかし見る人が見れば、最後のシングルトラックではもう余力がなかったのがバレバレだったのではないだろうか)
実態がどうであれ、(表向きは)2位以下に分単位の差をつけての余裕の勝利。
両手を大きく広げ、笑顔でフィニッシュラインを超えていった。
ということで無事にエリートBIBをゲットできましたが、少々課題の残るレースでもありました。
タイムを見ると、エリート1位とは約5分の差。今のタイムでは入賞圏の6位にもまるで及びません。
やっぱり問題は下りですね。
士幌の下りでは、エリート上位相手では百m差があっても追いつかれてしまうという状況。これはなんとかしなきゃなりません。
例えば今回のコースで、登りや平坦が今のままでも下りをあと15秒速く下れれば、レース全体では1分45秒のタイム短縮になり、入賞争いはできるようになります。
まあ、まだ自転車に乗りはじめて3シーズン目、レースを始めて2シーズン目で、これまでは基礎的な脚力を鍛えるのが最優先でしたからね。
オフロードの下りが下手なのはもちろん、ロードだってテクニカルな下りやコーナーはお世辞にも上手ではありません。
今年、脚力だけでエリート&S-1になれたら、来シーズンからテクニックの向上について考えていくことにしましょう。
ちなみに、午後はデュアルスラロームでした。
もちろん私はエントリーしてません。
大滝前の最後の酒……とポテチをつまみにチューハイ飲みながら観戦してましたが、見てるだけで怖いですね、アレは。
普段からあんなコースを走っている人たちが下りに強いのも納得。
ジェットコースターも苦手な私には無理っぽい種目です。