■第19回ツール・ド・北海道 市民ロードレース

主催 ツール・ド・北海道協会
開催場所 夕張駅前〜野幌総合運動公園
車種 ロード
概要 公道ロードレース

 一度は小止みになった雨が、スタート前にまた本降りになってきた。
 激しい雨の中、10時2分にB-4クラスがスタート。
 最前列からのスタートだったが、トンネルを抜けて下りが終わるまでの6kmちょっとはパレードだ。
 寒い。
 濡れて冷えた身体を温めるため、スタートのフラッグと同時にスピードを上げる。先頭グループはみな同じ考えだったようで、一気に集団がペースアップする。

 レース前に考えていた今回の作戦は『スタート直後からペースを上げて集団を小さくし、栗沢のアップダウンでさらにふるいにかけ、小集団で長沼の向い風区間を通過し、最後の7kmの直線をトップスピードで走りきる』というもの。
 序盤は下り基調ということもあり、なんの遠慮もなしにペースを上げる。後方から上がってきたY井くんや室工チーム、その他数人の先頭グループと先頭交代を繰り返す。
 S-4クラスのレースとしてはかなり速いペースの序盤だが、しかし背後を振り返ると集団はさほど長く伸びた様子もなくついてきている。

 下り区間が終わって右折、栗沢までの追い風区間に入る。
 ペースは落ちない。
 小さな登りで数名がアタックをかけるが、それが決まるほどの長い坂ではない。マイペースで追っていく。
 下りになると飛び出した選手は集団に吸収される。
 先頭集団の数名はその後も何度かアタックを試みるが、集団がハイペースなため、決定的な差をつける前に力尽きて吸収されるという動きの繰り返しだ。

 栗沢のアップダウン区間が始まる前に、2分前にスタートしたB-3クラスの最後尾に追いつき始めた。
 B-3も先頭はハイペースなのだろう。この後は集団からちぎれた選手がぽつぽつと目につくようになる。

 そして栗沢のアップダウン区間。やる気のある連中が加速する。
 しかしコース唯一の坂らしい坂とはいえ、決定的なアタックが決まる長さも傾斜もない。ましてやこの先は長い向い風区間だ。
 一応、遅い連中はチギれる程度の速度で坂を越える。夕張川を渡って長沼に入る。
 ここから長沼市街地の交差点まではまともに向い風を受ける区間。Y井くんや室工チームと協力してもペースは上がらない。
 ここでパワージェルを補給して後半戦に備える。
 20km……10km……残り距離が目に見えて減っていく。
 もうじき最後のアタックをかけると決めていた地点だが、後ろを振り返っても集団が小さくなったようには感じない。

 このまま集団スプリントになりそうだな……と考える。
 今日のレース、予想していたよりもずっと集団のペースが速い。
 巡航速度30km/h台後半という読みで作戦を立てていたが、登りと向い風以外のほとんどの区間で集団先頭は40km/hを超えていた。
 これではちょっとくらいペースを上げても振り切ることはできない。
 それでも、やるしかない。
 これだけのハイペース走行、みんな限界に近いはず。最後の7kmでさらにペースを上げれば、力尽きで脱落する者も出てくるはず。

 考えることはみな同じなのだろう。T字路を右折して最後の直線に入ると同時に、それまで縦に並んでいた先頭集団が横に拡がり、一斉にスピードを上げていく。
 一人が飛び出す。
 他の者たちが追う。
 飛び出した選手が力尽きて下がる。
 後ろで一息ついた選手がまた飛び出す。
 その繰り返しだ。
 緩い登りでもスピードは40km/hを下回ることはほとんどなく、時には50km/hを超えさえしている。
 誰も、独走に持ち込むことができない。
 平地の高速巡航ではほぼ互角の力を持った選手が残っている。
 残り2km……1km……
 左折して野幌運動公園に入り、スプリントが始まる。
 絶好の位置で左折した私は、真っ先にスプリントを開始した数人のうちの一人だった。
 しかし全力スプリントを続けるにはゴールが遠い。
 スピードが鈍ったところを、遅れてスプリントした選手が抜いていく。
 一息ついてまた脚に力を込める。
 しかしスピードは上がらない。
 一人抜いては二人に抜かれる……そんなペースだ。
 最後には脚が止まった状態でフィニッシュラインを超えた。


 ……てなわけで、市民ロードはB-4クラス82人出走中10位でした。
 勝つ気満々のレースでしたが、やっぱり平地レースで集団スプリントになるとダメですね。
 レース終盤になって「これは集団スプリントになるな」と思った時点でかなり気力が萎えてましたし(苦笑)。

 いやホント、萎えますよ。
 独走や小集団での逃げが好きな私としては、振り返るたびに集団が目に入るだけでも精神的ダメージは大です。
「テメーら、サロベツや藻岩じゃあんなに簡単にチギれたくせに、どうして平地ってだけでそんなにしぶといんだよっ!?」って叫びたくなりましたね(笑)。

 ただ後から聞いた話では、栗沢〜長沼あたりでかなりの選手が集団から遅れてしまっていたようです。私はずっと先頭グループを走っていたために気づかなかっただけで。
 考えてみれば80人ですからね。半分チギれたって残りは40人、普段のレースのスタート時と大差ない人数なので、ぱっと見には減ったようには見えなかったのです。

 でもまあ、そうでないと困りますよ。
 こっちも限界に近いペースで引きまくっていたのにS-4/V-2のメイン集団をチギれないのだとしたら、レースやめたくなりますから(苦笑)。
 ホント、ハイペースなレースでした。
 そうなってしまったのには私にも何%かの責任がありそうですが(苦笑)。
 でもきっと、私が引かなくたって他の人がペース上げてたでしょうね。

 リザルトを見る限り、ゴールスプリントまで先頭集団に残っていたのは結局12人しかいませんでした。
 私はまだ20〜30人はいると思っていたんですけど。
 う〜ん……そうとわかっていればスプリントももう少し気合いが入ったのかも。
『集団スプリント』というだけで萎える性格は改めた方がよさそうです(苦笑)。

 まあ、初のツール市民ロードはかなり悔しい結果に終わりましたが、来年また頑張るとしましょう。
 できれば来年の市民ロードは山頂ゴールにして欲しいものです。
 不公平をなくすために、平地コースと山岳コースを1年交替というのはいかがでしょう?>ツール・ド・北海道協会の方々
 来年は20回記念ですから、うんと派手にしましょうよ。
『大通公園スタート、環状線を一周してから旧5号線を小樽方面へ向かい、手稲山山頂ゴール』とか(爆)。

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